水道水をそのまま生まれたばかりの赤ちゃんに飲ませることは、どんな人でもなかなか気が引けるのではないでしょうか?
では、水道水を沸騰させたらどうでしょうか?
煮沸すれば水道水でも赤ちゃんに飲ませられるんじゃないの?と考える人も多いでしょう。
私も我が子が生まれた時そうしていました。電気ポットでお湯を沸かし、電気ポットで保温した湯冷ましなら翌日も日持ちもするだろうと考えていました。
でも、今はとても後悔しています。
親になると知っていないと罪なことがいっぱいです。
その一つが命をつなぐ大切な水です。
今回は、水道水を沸騰させると赤ちゃんに安全なのかどうかについてまとめました。
水道水を沸騰させると安全?
日本の水道水は世界と比べて安全と言われていたのはもはや神話となりました。
40年くらい前までは、安心してしかもおいしく水道水を飲める国の一つに日本は入っていたのです。そんな国は世界で15か国ほどしかありません。
そこから日本人の潔癖すぎる清潔感故に、水道水を除菌するための塩素の量はどんどん増えていきました。塩素だけではありません。農業で使われる農薬や化学肥料も年々増え続けているため、水道水にもそれは含まれてしまっているのです。
今では日本の水道水からは300種類もの有害物質が検出されています。
そんな水道水ですからもちろん生まれたばかりの赤ちゃんにそのまま飲ませようと考える人はいないでしょうね。
沸騰させて煮沸させたら大丈夫なのでしょうか?
沸騰させれば塩素は除去できる
水道水を沸騰させると、カルキ臭がなくなるのですっきり飲みやすい水へと変化します。
塩素は除去できるので、一見安全に思われます。
しかし、水道水に含まれるのは塩素だけではありません。
その筆頭がトリハロメタンです。
トリハロメタンとは、浄水場で塩素消毒する際に、水に含まれる有機物質と塩素が反応して生成される、クロロホルム・ブロモジクロロメタン・ジブロモクロロメタン・ブロモホルムの4つの物質の総称です。
これら4つの物質の各濃度の合計を「総トリハロメタン」と呼びます。
水道水質基準では、0.1mg/L(0.1ppm)以下としています。
このトリハロメタンは発ガン性物質です。
体に入るだけで中枢神経や腎臓、 肝臓の臓器にも大きなダメージを与えることが分かっています。
さらに、トリハロメタン類の摂取はアトピー性皮膚炎の発症、 喘息の悪化、集中力の低下、疲労感、イライラなどの症状を引き起こすものです。
最近ではトリハロメタンの含まれる水道水を毎日飲んでいると、流産率が15%もアップすることが分かりました。
昔の日本の水道水にはトリハロメタンなどの発ガン性物質は含まれていませんでした。
以前は暖速ろ過法で源水を8時間かけて沈殿させ、15~40日かけて、ゆっくりろ過して水道水にしていました。
しかし戦後は、アメリカ指導の下、急速ろ過法を採用することになり変わりました。
1日に150メートルの速度で急速ろ過するのですが、この方法ではアンモニア態窒素や臭気を除くことができなかったため、塩素をより多量に投入することになってしまったのです。
水道水を沸騰させても毒素は消えていなかった
トリハロメタンが少しでも含まれている水道水は、赤ちゃんだけでなく大人も飲むべきではありません。
この発がん性物質はすぐに癌になるわけではなく、体に蓄積して5~10年をかけて体に悪影響を及ぼします。
そして、沸騰させてもトリハロメタンは消えません。
トリハロメタンだけでなく、水道水に含まれるアルミニウムや鉛も体に良くない物質ですが、沸騰させるだけでは取り除くことができません。
沸騰させると増えるトリハロメタン
トリハロメタンは、温度が高くなれば増加する物質です。
水道水を煮沸すると、沸点になるまでトリハロメタンは3~4倍にも増加し続けます。
なので、沸騰したからとすぐ火を止めると煮沸前よりも毒性が高い状態になります。
沸騰してから、約10分位そのまま煮沸し続けると、トリハロメタンは気化し始めて徐々に減っていき、40~50分位で、ほとんど無くなります。
ですが実際に40~50分も沸騰し続けたら、ほとんど飲み水も無くなってしまうので、沸騰でトリハロメタンを除去する方法は現実的ではありません。
水道水を沸騰させたら日持ちはどのくらい?
とりあえず沸騰で塩素が抜けてカルキ臭がしなくなるなら、浄水器もないし、大人が飲むコーヒーくらいには使いたいよ、という場合は一体どのくらい日持ちするのでしょうか?
水道水の細菌類を消毒する塩素を除去すると、細菌が繁殖するリスクがやはり高くなります。
特に、水温が高くなると細菌が繁殖しやすくなるので、粗熱が取れたら必ず冷蔵庫に入れて、なるべく早めに飲み切ることが重要です。
冷蔵庫保存で翌日以内には飲み切るように心がけましょう。
仮に赤ちゃんに飲ませる場合は、電気ポットであったとしても翌日には水を捨てるようにします。
水道水を沸騰させて赤ちゃんのミルクに使う危険性とは
筆者の私も2児の母です。
以前は子供が赤ちゃんの頃、水道水を電気ポットで沸かしてミルクを作っていました。
先述しましたが、からだに良い影響を及ぼさない鉛やアルミニウムは、煮沸で取り除くことはできません。
体に蓄積してしまう有害物質です。
鉛は子供の脳への影響で、 学力低下・記憶力低下の原因になると言われています。
トリハロメタンは発がん性があるだけでなく他にも、免疫力が低下する、アトピーやアレルギー症状が出やすくなる、髪や肌にダメージを与えてしまうなどの多くの問題を抱えています。
赤ちゃんは生後間もない時期は、とくに免疫機能が万全ではなく、からだへの負担が大きいです。
ミルクを作る場合は、浄水器のお水を沸騰させてから作るか、市販の赤ちゃん専用のお水を活用するのも方法の一つです。
おすすめの浄水器や安全な水についてはこちらでも書いています。
水道水を沸騰させると赤ちゃんにも安全なのか?まとめ
蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水だからこそ軽く考えてしまいがちですが、日本の水道水は残念ながら安全とは言えません。赤ちゃんに飲ませるとなると、特に注意を払う必要があります。
すぐに具合が悪くなるものではないからこそ怖いんですよね。
私も子供を産んだ時に知っていたい知識だったなと、とても後悔しています。
今、まさに子育て中のママは是非気を付けてほしいと思います。