みょうがを食べ過ぎると物忘れするという由来は迷信?本来の効能は?

夏になると食卓にみょうがが恋しくなります。
そうめんには欠かせませんし、冷ややっこやみそ汁に入れると良いアクセントになります。
甘酢漬けも美味しいですよね。
食欲が落ちる夏場には、いい清涼感があって、食感もよく、食事が進みます。
だから野菜売り場で見かけると、つい買ってしまいますが、みょうがに悪い迷信があります。
「みょうがを食べ過ぎると物忘れがひどくなる」
これって、どういった由来があるのでしょうか?
ホントなのかな?
むしろ効能の方が高そうですが、気になるので調べてみました。
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みょうがを食べ過ぎると物忘れするという話の由来は?

みょうがを食べ過ぎると物忘れがひどくなる、馬鹿になる、という話は、どうやらインドのお釈迦様の弟子の話から由来されているようなんです。

 

昔、周利槃特(しゅりはんどく)というお坊さんがいました。

周利槃特は、インドの北部に生まれ、兄の摩河槃特(まかはんどく)と共にお釈迦様に弟子入りしました。お兄さんは賢くお釈迦様の教えをよく理解しましたが、弟の周利槃特は物覚えが悪く、自分の名前すら覚えられませんでした。

 

そこでお釈迦様が名札に彼の名前を書いて首にかけさせました。
この名札のことを「名荷(みょうが)」と言います。
ですが彼の物覚えの悪さは、首にかけている「名荷」のことすら忘れてしまうほどだったとか。

 

お兄さんは、物覚えの悪い弟に何とかお釈迦様の教えを覚えさせようと手を尽くしますが、弟は朝に覚えていたものを昼には忘れてしまいます。
周利槃特は、自分の物覚えの悪さに涙を流して途方にくれていたそうです。

それを見ていたお釈迦様は「自分が愚かであると気づいている人は、知恵のある人です。自分は知恵のあるものだと思い込んでいる者こそ、本当の愚か者です。」とおっしゃいました。
そして、ほうきを周利槃特に渡して「ごみを払おう、あかを除こう」と唱えて掃除をしなさいと教えました。

 

その日から周利槃特は、雨の日も、風の日も、暑い日も、寒い日も、毎日「ごみを払おう、ちりを除こう」と唱えながら掃除をし続けました。やがてみんなから「ほうきの周利槃特」と呼ばれるようになったそうです。

そして周利槃特は自分の心のごみやあかを全て除き、阿羅漢と呼ばれる聖者の位にまでなったのです。

 

お釈迦様は、「悟りを開くということは人よりたくさんのことを覚えることではない。一つのことでも徹底すればよいのである。周利槃特は徹底して掃除をすることでついに悟りを開いたのだ。」とおっしゃったのです。

 

その後、周梨槃特が亡くなり、彼のお墓に見たこともない草が生えてきたのです。
彼が自分の名を背に荷(にな)ってずっと努力し続けたことから、この草は「茗荷(みょうが)」と名づけられたということです。

こんな話から茗荷(みょうが)と物忘れがリンクしたようですね。

 

 

「みょうがを食べ過ぎると物忘れする」は迷信?

化学的・栄養学的にはまったく根拠はないけれど、「みょうがを食べると物忘れがひどくなる」という迷信は広く伝わっています。

お釈迦様のお弟子さんの話に関連して、古典落語に「茗荷宿(みょうがやど)」という噺(はなし)もあります。

 

「みょうがの宿」
むかしむかし、丹後の国へ、一人の絹商人が絹物売りにやってきました。
日が暮れたので、一軒の宿屋に泊ることにしました。ところが、宿屋のおかみさんとご主人は大そうな欲張り。絹商人がどうにか財布を忘れていかないかと考えます。そこで宿屋の主人は、みょうがをたくさん食べると、頭がのぼせて物忘れをするということを思い出しました。

夕食のおかずにも、漬物にも、ご飯にも、たくさんのみょうがを入れて絹商人をもてなしました。たくさん食べてのぼせ上がった絹商人は「冷たい風にあたらないと」と言って急に出て行ってしまいます。その姿を見てワクワクしたのはおかみさん。

ところが部屋には忘れ物どころか、塵ひとつ残っていませんでした。

それを聞いて慌てたご主人が「大変なものを忘れた!!昨夜の宿代をもうらのを忘れた」と途方に暮れたのでした。

 

 

 

みょうがの本来の効能は?

みょうがの迷信は広く伝わっていますが、実際は栄養価が高いみょうがです。
みょうがの効能についてまとめました。

頭をスッキリさせる効果

みょうがは、大脳皮質を刺激して、頭をスッキリさせてくれます。
みょうがに含まれる「αピネン」は、精油のような効果があり、眠気を覚ましてくれます。
それに加えて、集中力も高めることができるのです。

夏バテに効果あり

「αピネン」は、胃液の分泌を促し、食欲を増進させます。
暑い夏にそうめんを食べる時、みょうがをのせると食欲が増すのはこのためです。

生活習慣病の予防

「αピネン」は、近年注目されている「ファイトケミカル」にも含まれるものです。
「ファイトケミカル」全般に言えますが、ガンや脳卒中などの生活習慣病を予防する効果があることがわかっています。
これは、「αピネン」が活性酸素を除去する効果を持つためです。

ホルモンバランスを整える

ホルモンのバランスを整える効果があるので、生理不順・更年期障害・冷え性・冷えからくる腰痛や腹痛に有効とされています。

 

 

 

まとめ

みょうがを食べ過ぎると物忘れがひどくなるという迷信とは真逆のようなみょうがの効能がわかりましたね。
でも、いくら体にいい物でも食べ過ぎはいけません。
そういった教えもある言い伝えなのではないでしょうか?
何事もほどほどが良いということです。
でも、暑い夏には薬味であるみょうがは解毒になるので、適量をそうめんや料理のアクセントに使うことはおすすめです。
みょうがで夏を乗り切りましょう。

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